Online edition:ISSN 2758-089X
大 腸 癌 と 内 視 鏡 検 査 -12年間の臨床統計-
過去12年間に当科に入院した大腸癌患者を集計し,大腸癌の現状と内視鏡施行状況について検討を加え,以下の結論を得た.1.大腸癌患者は174名で,女性42.0%,男性58.0 %であり,年齢は17歳より84歳におよび平均年齢は60.1歳で50歳代,60歳代に多かった.2.多発例は8%に認められ,発生部位では,直腸・S状結腸の病変で過半数を占めていた.3.臨床症状は,下血,腹痛,下痢,便秘が多く認められた.4.形態は,限局潰瘍型・浸潤潰瘍型が多く,大きさは3cm以上の例が多く,深達度では, 201病変のうち47病変が早期癌であった.治療は,外科的治療が85.6%を占め,内視鏡的ポリペクトミーを受けた例は12例であった.5.内視鏡検査は140例に施行され,病変の存在診断は93.4%で可能であり,そのうち93.5%で癌と診断可能であった.大きさ1cm未満の病変では,内視鏡検査は注腸造影検査よりも診断能力が優れていた.
- 著者名
- 星加 和徳,他
- 巻
- 13
- 号
- 1
- 頁
- 62-67
- DOI
- 10.11482/KMJ-J13(1)62