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二重房室伝導経路と潜在性WPW症候群を合併した僧帽弁逸脱の1例

聴診および心エコー図上,僧帽弁逸脱を認め頻拍発作を繰り返す37歳男性例に対して電気生理学的検査が行われた.その結果,二重房室伝導経路と潜在性WPW症候群をあわせもつことが判明した.90~220/分の心室ペーシングにて室房(V-A)伝導時間は一定であった.さらにアトロピン投与後120~240/分の心室ペーシングにても室房伝導時間は一定で,逆行性最早期心房興奮部位は左房(室―左房伝導時間は140 msec)であった.多部位心房ペーシングにても顕性pre-excitationはみられなかった.これらの所見から左側副伝導路を逆行性に伝導する経路(concealed WPW)の存在が示唆された.本例における発作性上室性頻拍は, slow AV nodal pathway を順行性に,左側副伝導路を逆行性に伝導する回帰性頻拍と考えられた.僧帽弁逸脱と2種の異常房室伝導路合併との関係は不明であるが,僧帽弁逸脱例に二重房室伝導経路と潜在性WPW症候群を合わせもつことはまれと思われた.
著者名
長谷川 浩一,他
13
1
97-104
DOI
10.11482/KMJ-J13(1)97

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