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Online edition:ISSN 2758-089X

ゲラチンスポンジ塞栓下での血管再疎通時におけるフィブロネクチンの局在

血管再疎通時におけるフィブロネクチンの局在について検討した.家兎耳介動脈にゲラチンスポンジを塞栓させ,塞栓部位を経時的に生検し,ヘマトキシリン・エオジン染色と,抗フィブロネクチン抗体による蛍光抗体間接法を施行した.ヘマトキシリン・エオジン標本ではいまだ内皮細胞が障害脱落している動注1週間後,蛍光抗体間接法では,動注直後より消失していた弾性板内側のフィブロネクチンが再び陽性となった.内皮細胞損傷後の血管修復のごく初期の段階では,まずフィブロネクチンなどが,動脈壁に接着し透過性亢進の阻止などの役割を負うと思われる.
著者名
荒川 雅美
13
3
303-307
DOI
10.11482/KMJ-J13(3)303

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