Online edition:ISSN 2758-089X
自然発生黒色腫担癌豚の選択的熱中性子捕捉療法 -線量分布と局所反応の検討-
前臨床実験として自然発生黒色腫担癌豚に10B-BPA(10B-Para-boronophenylalanine)を用いた選択的熱中性子捕捉療法を施行し,その時の局所,全身の中性子およびγ線の線量分布を調べたので局所反応とともに報告する.熱中性子源として武蔵工業大学原子炉研究所の原子炉を用いた.10B-BPA 15.8 g (200 mg/kg)を経静脈的に投与し, 100 kw, 210分間の熱中性子照射を行った.腫瘍部以外を遮蔽するために, bismuth面より順にLiFシート, LiFタイル,鉛ブロックを配置した.上記collimation systemにより腫瘍周辺組織の熱中性子線量を腫瘍部の約1/100に減弱させることができ,また全身被曝線量軽減の意味からも効果を認めた.また,局所反応においても,ビラン,潰瘍等を伴わず治療傾向を示した.
- 著者名
- 平塚 純一,他
- 巻
- 13
- 号
- 3
- 頁
- 308-314
- DOI
- 10.11482/KMJ-J13(3)308