Online edition:ISSN 2758-089X
糸球体障害におけるFibronectinの意義に関する検討 -第2報 Circumferential Mesangial Interposition と Fibronectin -
家兎にMitomycin C (MMC)と抗腎血清を併用注射してcircumferential mesangial interpositionを作成し,その成因について検討した. MMC注射と抗腎血清注射併用にて,各々単独注射よりも高頻度に広汎な係蹄壁の2重化を認めた.電顕にてこの2重化は circumferential mesangial interpositionであることを確認した.蛍光抗体法による Fibronectin (FN)分布は係蹄壁に沿って帯状に増加していた. MMC単独注射では糸球体は電顕的に内皮細胞下腔の拡大がみられ,FNは線状に係蹄壁に沿って増加していた.これらのことより, circumferential mesangial interposition の成因機序として,①内皮下腔の拡大,②FNの係蹄壁に沿った増加,の関与が推測された.
- 著者名
- 米田 昌道
- 巻
- 12
- 号
- 2
- 頁
- 123-131
- DOI
- 10.11482/KMJ-J12(2)123