h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

t_toukou

穿孔性胃癌の臨床病理学的研究

昭和50年より10年間に経験した10例(9手術+1剖検)の穿孔性胃癌(穿孔癌)につき,主に同期間の非穿孔性胃癌(非穿孔癌)と各種の臨床病理学的な比較・検討を行い,以下の成績を得た.(1)穿孔癌が胃癌手術例中に占める率は1.8%で,同期間の胃・十二指腸潰瘍穿孔率(同潰瘍の全入院患者中6.9%)に比し低率であったが,胃潰瘍穿孔率(全胃潰瘍入院患者中2.1%)とは,有意差がなかった. (2) 6例で穿孔誘因(4例胃レ線・カメラ検査)が指摘された. (3)過半数が胃潰瘍穿孔と術前診断された.(4)穿孔部位は体部(M:8)・前庭部(A:2)の前壁で.AM前壁のBorrmann 2,3型とIIc+III型の全胃癌中11%余りの穿孔率であった.(5)肉眼型はBorrmann 3(4), 2(3), 4(1)とIIc+III(2)型であったが,非穿孔癌の比率と同様であった.大きさは, Borrmann 2,3型の穿孔癌の平均径は非穿孔癌のそれより大きく(p<0.05),IIc+III型も同傾向があった. (6)深達度はse(6),ss(2),m(2)で,組織型,癌間質量の特徴はなかった.(7)穿孔形態の西分類は,IIc+III型をはじめ適用できない症例が多く,予後はむしろ胃癌stageに関係するようであった.(8)Borrmann 2,3型の非穿孔癌の癌性潰瘍は,その深さと広さの比,深さと癌深達度の比の計測から,それがとくに前壁で深くなる傾向はなかった.
著者名
吉岡 一由
12
2
152-166
DOI
10.11482/KMJ-J12(2)152

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