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Online edition:ISSN 2758-089X

Clostridium tertiumの産生するA型分解酵素に関する研究

Clostridium tertiumはヒトのA型血液型活性を分解する酵素を産生する.我々はA型分解酵素の産生に及ぼす培地組成の効果を調べた.この結果最大の酵素活性は以下の組成の培地において得られた. 7 % enzymatic hydrolyzate of casein 0.5%yeast extract, 0.1% glucosamine, 0.5% KH2P04,および0.1% NaClである.Clostridium tertiumを上記の培地で37゜C,4日間嫌気的に培養し,その培養上清をDEAE Sephadex を通すことにより部分的に精製した.この部分精製酵素でヒトのA型赤血球を処理するとA型活性が失われH型活性が増加した.粗精製酵素の至適pHはpH7~8,至適温度は20゜Cであった.この酵素を応用する点からみて興味深いことは酵素が5゜CやO゜Cのような低温においても作用することである.
著者名
美袮 弘子,他
12
3
216-223
DOI
10.11482/KMJ-J12(3)216

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