原発性胆汁性肝硬変(PBC)は中年女性に好発し,小葉間胆管の破壊性の胆管炎で,末期には門脈圧亢進症や肝不全により死亡する疾患であり,本邦ではまれな疾患と考えられていた.われわれは過去2年間に6例のPBCを経験し,その臨床像,組織像について述べた.6例中3例は長期間慢性肝炎として治療されており, PBCの診断がなされていなかった.無症候性のPBCの早期発見のためには,中年女性, AlP γGTP等の胆道系酵素の増加,γグロブリンの増加とIgMの測定が重要な鍵となることを強調した.
著者名
山本晋一郎,他
巻
12
号
3
頁
246-256
DOI
10.11482/KMJ-J12(3)246
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