高齢者における薬剤性巨赤芽球性貧血の二例 ST合剤の副作用による巨赤芽球性貧血の二例を報告した.二症例とも高齢者であり神経学的な合併症を併発したため,投薬時の栄養状態は不良であった.両症例とも尿路感染症を合併したため,4か月にわたりST合剤の投与を行った.巨赤芽球性貧血は投薬1か月以内に発現した,血液学的異常は休薬と葉酸の投与により迅速に改善した.栄養状態の不良な高齢者にST合剤を投与する場合には,充分な注意が必要であると思われた.