h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

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血管造影による霊長類の頭部動脈系の立体的解析 Part l 原猿類ツパイ科,キツネザル科の顎部動脈系

原猿類ツパイ科,キツネザル科における顎動脈の造影写真を立体的に観察し,系統発生学的な解析を行い,ヒトおよびヒト胎児動脈系と比較検討した. 1)ツパイ科は内頸動脈,アブミ骨動脈が存在する.アブミ骨動脈は硬膜と眼窩の大部分を供給する.顎動脈とアブミ骨動脈との間には太い吻合枝が認められる.口蓋動脈は2本存在し,口蓋の内外側を平行に走行し,その間にはしご状の吻合枝を認める.2)キツネザル科の内頸動脈はアブミ骨動脈の分岐部より先端で消失する.アブミ骨動脈は中硬膜動脈を分枝し眼動脈につながるが,顎動脈との吻合枝は認められない.口蓋動脈はツパイ科と同様の分布を示す.3)ヒトの胎生期に見られるアブミ骨動脈はツパイ科,キツネザル科ともに存在するが,ヒト胎生期40日~44日に見られるアブミ骨動脈―顎動脈間吻合はツパイ科では異なった形で認められ,キツネザル科では認められなかった.
著者名
井上 普文
12
4
285-296
DOI
10.11482/KMJ-J12(4)285

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