h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

ヒト正常線維芽細胞とその60COγ線による培養内 癌化細胞の蛋白分解酵素産生性

ヒト細胞の癌化に伴う蛋白分解酵素の産生の変化を調べた.使用した細胞は,ヒト正常線維芽細胞(KMS-6)とその細胞を60Coγ線で照射して培養内で癌化した細胞(KMST6)とてある.細胞はEDTAで継代し,無血清培地で培養した.それぞれの細胞系の産生する培地中および細胞内の蛋白分解酵素量を人工基質N-a-(tosyl)-L-arginine[3H]methyl esterHC1 (3H-TAME)を用いて測定した.蛋白分解酵素の産生は正常細胞(KMS-6)に比べ癌化した細胞(KMST-6)の方が高かった.また,両細胞系において酵素産生は対数増殖期に高く定常期に近づくに従って低下した.産生された蛋白分解酵素はトリプシン様,トロンビン様酵素であった.これらの蛋白分解酵素の阻害剤を加えてもKMS-6とKMST-6の細胞の増殖は阻害されなかった.
著者名
西谷 耕二, 他
11
4
443-448
DOI
10.11482/KMJ-J11(4)443

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