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Online edition:ISSN 2758-089X

中枢性疾患における呼吸調節機能の検討

中枢性疾患における呼吸調節機能を知るためにPaCO2の連続測定を中心に検討し,以下の結果を得た.1. PaC02連続測定のためのPC02センサーについて本研究に用いたPC02センサーについて検討し,これがPaCO2の連続測定において十分信頼性のあることを確認した.2. PaCO2連続測定による検討1)中枢性疾患においてPaC02は低値を示し,しかもその値は周期的に変動しており,その変動の大きさは意識障害の程度と相関していた.2)くも膜下出血と脳挫傷との比較では,くも膜下出血例により大きなPaCO2の変動が見られた.3)意識障害の程度と異常呼吸型の間には,特別な関係は認められなかった.4)異常呼吸と換気量, PaC02の関係においては時間的ずれが認められ,特にCheyneStokes呼吸において特異的であった.5)生存例と死亡例の動脈血ガス分析による検討では, PaC02の変動において差が見られた.3. C02応答曲線による検討C02応答曲線による検討では,中枢性疾患においてその低下が認められたが,意識障害の程度とは関係がなかった.
著者名
中村 義博
11
4
467-477
DOI
10.11482/KMJ-J11(4)467

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