1.乳癌237例(再発29例)における骨・肝転移のRI診断確診率は,RI診断基準をA(転移),B(疑転移),C(転移なし)に分けると,骨ではAが62.5%, Bは7.0%,肝ではAは75%,Bは18.9%であった.またRI病巣集積(肝はSOL)数の多い程確診率が高い.2.肋骨のRI集積頻度は高いが転移は低い.一方頭蓋骨,大腿骨では高く部位によって異なる.3.肝の単発SOL転移診断は解剖学的要因が多くをしめ困難である.4.骨転移における診断AはRIがX線像より先行する症例がある.Bでは追跡により診断Aを経て転移を確認しえる症例があり,肝転移では診断Bの予後はAよりも良好で,早期発見の意義があった.5.術後の追跡間隔は診断Aを2ヵ月毎,Bを3ヵ月毎,Cを6ヵ月毎とした場合の追跡ではRI診断Bは約30%と低率であり,さらに短縮の必要がある. A, Bの追跡間隔は適正であった.
著者名
大浜 寿博
巻
11
号
1
頁
36-46
DOI
10.11482/KMJ-J11(1)36
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