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Online edition:ISSN 2758-089X

凍結化学療法の実験的研究

約90羽のVX2担癌家兎を実験モデルとして,凍結化学療法の効果に関し,検討を行った.VX2癌の移植1週間後,2群に分け凍結術後の腫瘍組織血流量の変化と,制癌剤の組織内取り込みの変化について検討した.1;凍結術後30分の時点で,凍結された腫瘍の血流量は,コントロール値の約200%に上昇する.以後漸減し60分後から180分後にはコントロール値の約50%となる.2;制癌剤の取り込みは,凍結術後30分に動注した場合に最も高くなり,コントロール群の約1.5倍になる.以後漸減するが,24時間後に動注した場合にも高くなり,二峰性を呈する.3;正常肝組織は,凍結術後30分~60分の時点では,制癌剤の取り込みが小さい.4; 1,2,3より,凍結術後30分~60分の間が制癌剤の投与を行うに適していると考えられる.
著者名
今井 博之
11
1
104-116
DOI
10.11482/KMJ-J11(1)104

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