アミロイド変性のH-E染色標本の偏光顕微鏡的観察 全身性アミロイドーシスでアミロイド陽性の104例の心臓を病理組織学的に検索中に,興味のある現象を見出した. Congo-red染色標本のほかにH-E染色標本の71例(68.27%)が,偏光顕微鏡でみると緑色または黄緑色の複屈折を示したのである.心筋梗塞,疣贅性心内膜炎,動脈硬化症,肝硬変症,キャンディダ症その他23疾患の心臓のH-E染色標本30例を対照として調べたところ,上記のような現象は全く認められなかった.そこで,われわれは,保存されてあるH-E染色標本を偏光顕微鏡で検索することは,アミロイドーシスのスクリーニングに有用であると考えた.