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Online edition:ISSN 2758-089X

不明熱を主訴とした亜急性壊死性リンパ節炎

症例は20歳の女性.入院45日前より,38~39゜Cの発熱が出没していた.近医に受診するも原因不明で,不明熱の精査目的のため当科へ入院となった.入院時より全身状態は良好で,左頸部に直径1~2cmのリンパ節を数個触知したが,その他の理学検査に異常はなかった.検査成績では,白血球数2200, ESR 47 mm/h, CRP 2.2 mg/dl 以外に特記すべき異常を認めなかった.入院後も発熱が持続するため,悪性リンパ腫との鑑別の目的でリンパ節生検を施行した.組織像では,好中球の浸潤を伴わない壊死病巣を認め,診断は亜急性壊死性リンパ節炎(SANL)と確定できた.その他に,リンパ節生検による確定診断こそできなかったが,不明熱の精査で入院し,原因がSANLと考えられる2例を経験している. SANLは,不明熱の原因のひとつとして比較的多く存在するのではないかと考える.
著者名
田野 吉彦, 他
11
1
178-183
DOI
10.11482/KMJ-J11(1)178

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