高プロスタグランディン血症を伴った甲状腺髄様癌の一症例 発病後20年の緩慢な経過をとり,頸部所属リンパ節転移,多発性骨転移,肝転移を来し,古典的症状と言われる頑固な慢性水様性下痢を主訴としたamyloid struma を伴う甲状腺髄様癌の一症例を経験した.本症例ではサイロカルシトニン以外にプロスタグランディンが高値を示した.腫瘍が分泌するプロスタグランディンに下痢症状の原因を求め,プロスタグランディン合成阻害剤にて症状を認めた.