頬部に発症したRhinoscleromaと思われる1例 頬部の無痛性腫脹を主訴に来院し,病理組織学的にrhinoscleromaと考えられた1例を報告した.症例は51歳,男性で8年前に出現した右頬部の腫脹が徐々に増大し,来院時約5×4cmの弾性硬の腫瘤を認めた.X線診査では右上顎洞前壁の一部骨吸収と洞周囲骨壁の肥厚像を呈した.臨床的に良性腫瘍を疑って切除したところ,病理組織学的には形質細胞の浸潤を中心とする肉芽腫性病変で, Mikulicz細胞, Russell小体が散在してみられる定型的なrhinoscleromaの組織像を示した.