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Online edition:ISSN 2758-089X

胃回腸吻合がなされていた1例

症例は42歳男性.十二指腸潰瘍手術後, 19 kg の体重減少, 下痢を主訴とし, 1年9ヵ月目に受診した術後の消化吸収不良症候群の1例である.血液検査では, 血清蛋白4. 6g/dl, Alb 2. 3 g/dl, RBC 297×104/mm3, Hb 8. 9 g/dl, Ht 28. 0%, Choi 137 mg/dl, ChE112 1. U./dl, Zn 46μg/dl, Cu 35μg/dl, Folic acid 1.2ng/ml であり, D-Xylose test(25g法)は2.1 g/5h で, Vitamin B12吸収テスト(Dual isotope法)は, IF-B12 with57Co11.7%, 58Co-B12 9.4%,脂肪のバランス・スタディは, 排泄脂肪81.1 g/day, 吸収率-13.5%であった.レ線造影透視にて, 吻合部より回腸末端まで約40cm と短く, 胃回腸吻合という誤った吻合が行われていた.そこで, 誤吻合を解除術後, 通常の胃空腸吻合にて再建した.術後の吸収不良症候群を呈する患者については, まれにこのような胃回腸吻合もあることを念頭に入れて診察する必要がある.
著者名
島居 忠良, 他
11
2
284-289
DOI
10.11482/KMJ-J11(2)284

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