ヒト型アデノウイルス2型のクロマチン構造とその生物学的意義 -アデノウイルス及びアデノウイルスクロマチン蛋白の分離,精製- 近年,真核細胞の遺伝子発現機序の解析モデルとして研究されているヒト型アデノウイルス2型を使用し,特に真核細胞のヒストン蛋白や動物精子中の小分子量強塩基性蛋白であるプロタミンの様に遺伝子発現制御に直接関与していると思われるウイルスクロマチン蛋白μ, V, VIIを分離した.その中で特にμ蛋白について分離,精製を試み,電気泳動的に純粋な均一蛋白として回収することに成功した.その方法と合わせてμ, V, VII蛋白のホスホセルロースカラムクロマトグラフィー,アルギニン高感度染色法の改良及びμ蛋白の生物学的意義についても論じた.