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Online edition:ISSN 2758-089X

著しい石灰沈着を示した二次性上皮小体 機能亢進症の1治験例

慢性腎不全で血液透析を開始して8年になる患者の二次性上皮小体機能亢進症を経験した.症例は32歳,男性. 3年前より全身?痒感,関節痛,下痢を訴え, 1年後には心膜の石灰沈着による収縮性心膜炎を併発し,心外膜切除術をうけた.術後一時的に症状は軽快したが,心膜の石灰沈着,?痒感,関節痛がなお進行してきたため,手術目的で来院した.入院時,血清Ca 4.6mEq/1, P 3.4mEq/1, PTH-C末端25. 6ng/ml, Al-P 960I.U./lで,心膜,動脈の石灰沈着,頭蓋骨,手指骨,長管骨に変化を認めた.四腺の上皮小体を全摘し,一腺の一部を左前腕の筋肉に移植した.摘出上皮小体総重量は2.30g,組織学的にはび漫性過形成であった. 術後, Ca剤,活性型ビタミンDの投与により血清Ca値をコントロールした.臨床症状は早期より著明に改善された.この症例の経過を報告し,本疾患の手術適応を中心に考察を加えた.
著者名
牟礼 勉,他
10
2
260-265
DOI
10.11482/KMJ-J10(2)260

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