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ラット卵巣に対するHnuman Chorionic Gonadotropin集積動態の光学顕微鏡並びに 電子顕微鏡radioautographyによる観察

Human Chorionic Gonadotropin (hCG)の卵巣集積動態の詳細を形態学的に検討する目的でSprague Dowly系(S.D.系)正常成熟雌ラットと疑妊娠状態とした同ラット125I標識hCG (125I-hCG)を投与し,その卵巣各組繊細胞成分におけるhCG分布を光学顕微鏡,並びに電子顕微鏡radioautographyにて観察を行い,以下の結果を得た. 1.ラット尾静脈より125I-hCGを投与し,一定時間後に卵巣を摘出し,摘出卵巣の125I放射活性を測定,卵巣湿重量mgあたりの125I-hCG集積状態(CPM/mg tissue weight)を検討してみると,性周期estrus 1期の正常卵巣.疑妊娠ラット卵巣いずれにおいても,125IhCG投与後2時間から6時間にかけて125I放射活性高値が見られた. 2.ラット尾静脈より125I-hCGを投与後摘出した卵巣の光学顕微鏡radioautographyによれば125IhCGの存在を示す銀粒子は非妊娠成熟ラット性周期estrus 1期の卵巣二次卵胞の英膜細胞,間質の一部に多く見られ,疑妊娠ラッ卜卵巣では黄体に多量,間質に少量見られた125IhCG投与後2時間から6時間の各時点で上述の細胞に多く銀粒子が見られ, 12時間後に銀粒子はほとんど消失した. 3.ラット尾静脈より125IhCGを投与後摘出した卵巣の電子顕微鏡radioautographyを作製,観察,125IhCGの存在を示す銀粒子が細胞内小器官のいずれに所属するかの判定はSalpeterらの判定法に従い,細胞内小器官の面積測定は点計数面積計測法によって行い,銀粒子の分布状態を検討した.非妊娠成熟ラット性周期estrus 1の卵巣二次卵胞では125I-hCG投与後2時間と6時間の時点で莢膜細胞細胞膜に,又,疑妊娠ラット卵巣では黄体細胞細胞膜,微絨毛に有意に銀粒子が認められた.前者の顆粒膜細胞にも銀粒子は認められたが, back ground silver grainsと有意な差は認められなかった.細胞膜,微絨毛以外の細胞内小器官にも銀粒子は認められたが,有意に認められると判定されたものはなかった.又,両時点での各細胞小器官における銀粒子の増減も見られなかった. 4. hCGの細胞内internalizationについては,現在これを肯定する報告もあるが.本検索では各細胞内小器官に銀粒子の存在を思わせる所見はあるものの,統計学的に有意な存在の確証は乏しく.今後の課題と考えられた.
著者名
河本 義之
10
3
361-372
DOI
10.11482/KMJ-J10(3)361

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