心臓のアミロイド症に関する病理組織学的研究 110例の全身性アミロイド症心臓の病理組織標本を研究した. 110例の内,アミロイド変性が見られたのは104例(94.55%)であった.原発性アミロイド症と続発性アミロイド症の病変の程度は骨髄腫を合併するものより強かった.心内膜層,心筋層,心外膜層,心弁膜及び特殊心筋などを詳細に検索して,心臓のアミロイド変性はまず心臓の血管病変と密接な関係にあることがわかった.しかし心臓アミロイド変性の発生病理には特定の細胞だけが関与しているのでなくて,血管内皮細胞,心筋細胞,特殊心筋細胞,心内膜内皮細胞,線維芽細胞などの非特定性多種類な細胞が関与しているものと推定した.