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TdT高値,急性白血病の臨床経過をとったPh1陽性の2症例

Ph1染色体陽性 terminal deoxynucleotidyl transferase (TdT)活性高値の急性白血病の臨床経過を示した2症例を経験したので,その病態を検討し文献的考察を加えて報告する. 2症例とも末梢血・骨髄に異型性のある芽球が認められ,急性白血病として多種の抗白血病薬を用いて治療させたが,緩解に至らなかった・染色体分析にてPh1染色体が証明され, TdT高値を示したことより,慢性骨髄性白血病(CML)の急性転化とも考え,vincristine・prednisolone (VP)療法も施行したが反応し難く,各々14カ月, 8カ月の経過で死亡した.この2例は, Ph1染色体陽性, TdT活性高値に加えて,好塩基球増多症および脾腫を欠くなどの共通点を持ち,特に第2例においてはさらに末梢血・骨髄中に顆粒球系の各成熟段階の細胞を認め血小板減少が軽度であることから, CMLの急性転化が疑われる.第1例については, Ph1陽性急性白血病の可能性が残されるが,緩解時Ph1染色体が消失するとされるPh1陽性急性白血病の特徴的所見が得られず確定診断に至らなかった.
著者名
橋本 正志, 他
10
3
421-427
DOI
10.11482/KMJ-J10(3)421

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