h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

当院におけるB型肝炎ワクチンの臨床試験

川崎医科大学附属川崎病院の職員を中心に18名(男性16名,女性2名)のハイリスクグループに,HBs抗原蛋白として20μgのB型肝炎ワクチンを,初回, 4週間後, 24週後の3回接種した. 3回接種後のHBs抗体陽転率は,RIA法では疑陽性も含めると,88.9% (16名/18名)で, HBワクチンの有効性が確かめられた. 6名のlow responderのうち,初回ワクチン接種38週後にHBs抗体を検索し得た2名は抗体価の低下がみられ,早期の追加接種が必要と考えられた.Low responderとnen-responderは全員男性で,男性はワクチンに対する抗体反応が弱いという既報に一致した. PHA法では,抗体陽転率は55.5% (10名/18名)で,RIA法でgood responderであったもののみ陽性であった.副作用は局所痛4件(7.4%),軽度倦怠感3件(5.3%)のみで,初回接種時に多くみられた.重篤なものはなく,安全性に問題はなかった.
著者名
小林 和司,他
10
4
556-561
DOI
10.11482/KMJ-J10(4)556

b_download