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Online edition:ISSN 2758-089X

Acatalasemia症におけるHeinz小体性溶血に関する研究

Acatalasemia症では,赤血球catalase活性が全欠損している症例でも,赤血球溶血は認められないものと考えられている.しかし,この従来の見解に反して,本研究ではcatalase活性欠乏赤血球ではin vitro法によるHeinz小体生成試験の強陽性所見ならびにascorbate試験の著明な異常所見を認めた.そこで,これらの異常を惹起する可能性のある5炭糖リン酸回路活性を本症患者赤血球について検索したところ,正常所見を得た.したがって,このHeinz小体試験,およびascorbate試験の異常成績は,これら赤血球におけるcatalase欠乏に起因する可能性が極めて高い.これらのcatalase欠乏赤血球では,酸化環境下において溶血を生ずることが考えられることから,酸化剤投与,感染症罹患などを回避すべきであろう.
著者名
八幡 義人,他
10
4
473-479
DOI
10.11482/KMJ-J10(4)473

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