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トレッドミル負荷試験の検討(第1報) ―冠動脈造影所見からみたマスター負荷試験との比較―

胸痛を主訴として来院し,マスターニ階段法(M法)とトレッドミル法(T法)による運動負荷試験と冠動脈造影を施行した112例(男性96例,女性16例,平均年齢51.7歳)を対象に,主要冠動脈狭窄50%以上の冠狭窄の有無および梗塞の有無と運動負荷試験の成績との関連について検討した. M法の判定には1968年提唱のMaster陽性基準を用い, T法のそれにはSTsegmentの0.5mm以上の低下と1mm以上の低下の両基準について比較した.これらの結果は以下のごとくであった. 1. T法の陽性基準を0.5mm以上のST低下とすると,冠動脈狭窄(CAD)患者76例中57例(75.0%)が陽性を示し,1mm以上のST低下をとると44例(57.9%)が陽性を示した. specificityは,各々66.7%, 83.3%であった. 2.非梗塞群37例中, 26例(70.3%)がM法, 35例(94.6%)がT法でそれぞれ陽性を示し,梗塞群では39例中, 17例(43.6%)がM法, 22例(56.4%)がT法でそれぞれ陽性を示した. 3.非梗塞群37例中, 18例の多枝病変例を認め,うち15例(83.3%)がM法, 17例(94.4%)がT法で陽性を示した.一方, 19例の一枝病変例では11例(57.9%)のみがM法で陽性を示したのに対し, T法では18例(94.7%)が陽性を示した. 4.梗塞群においてremote vesselの病変検出率は,下壁梗塞群では88.9%と高かったが,前壁梗塞群では42.9%と低かった. 5.有意冠狭窄を認めない36例中7例(19.4%)がM法, 12例(33.3%)がT法で陽性(false positive)を呈した. false positiveを呈したM法の3例(42.9%)T法の5例(41.7%)が冠動脈スパスムであった.
著者名
長谷川 浩一, 他
9
1
49-55
DOI
10.11482/KMJ-J9(1)49

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