Online edition:ISSN 2758-089X
蛋白非結合型を中心とする抗てんかん薬血中濃度の研究 第2報 血中濃度の経時的推移について
抗てんかん薬のうちPhenobarbital(PB), Phenytoin(PHT), Carbamazepine(CBZ), Sodium Valproate(SV)を服用し,肝腎疾患を有しない入院中の成人患者を対象に UltrafreeRによる限外濾過を用い,酵素免疫法EMITRにより抗てんかん薬血漿総濃度 と蛋白非結合型濃度測定を経時的に行い以下の結果を得た. 1) PBは投薬開始後2週間で定常状態へ達し,その間総濃度と蛋白非結合型濃度は約50%という一定の蛋白非結合率で推移した. 2) PB・PHT・ CBZ・ SVの血漿濃度の日内推移でも,総濃度と蛋白非結合型濃度は強い相関を示し,PB・PHTでは日内推移は小さかったが,CBZ ・SVでは大きな推移が認められた. 3) 1年間PB・PHT・CBZのみが同一量投与された4症例で,同一条件で年間3回の測定を行った結果,PB・CBZの濃度はほぼ一定していたが,PHTでは2例において大きな変化が認められた.
- 著者名
- 小林 建太郎
- 巻
- 9
- 号
- 2
- 頁
- 103-112
- DOI
- 10.11482/KMJ-J9(2)103