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Online edition:ISSN 2758-089X

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動注癌化学療法における血流変化の与える影響に関する研究(第I報)

肝癌の治療成績向上のために,家兎VX2肝癌を実験モデルとして,動注癌化学療法に,angiotensin II, epinephrne, prostaglandin E1の3種の血管作動薬を併用し,腫瘍組織血流量および他臓器血流量の変化,腫瘍組織制癌剤濃度および血中制癌剤濃度の変化を検討し,以下のような結果をえた.1.家兎ⅤⅩ2肝癌は,ほとんど肝動脈栄養であった.2.腫瘍組織血流量は, angiotensin IIにより76.5%, epinephrineにより18.2%,prostaglandin E1により48.2%増加した.3.腫瘍組織bleomycin濃度は, angiotensin IIにより98.1 %, epinephrineにより22.6%, prostaglandin E1により53.6%増加し,腫瘍組織血流量の増加率と腫瘍組織制癌剤濃度の増加率は類似していた.4.血中bleomycin濃度は, angiotensin IIにより高値を, prostaglandin E1により低値を示した.5.血中mitomycin C濃度には著差を認めなかった.6.中枢神経系および骨髄には,いわゆる "Autoregulation”の存在が示唆された.7.動注癌化学療法における腫瘍組織血流量の増加は,制癌剤の局所到達性を高め,特に,angiotensin IIを併用すると,高い抗腫瘍効果がえられるものと考えられた.
著者名
瀬尾 泰雄
9
2
133-148
DOI
10.11482/KMJ-J9(2)133

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