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Online edition:ISSN 2758-089X

腸重積を伴った回盲部腸管重複症の1例

7か月の男児が唱吐と腹部膨満を主訴として入院した.入院の3か月前に腸重積症にて開腹手術を受けた既往があり,注腸造影にて“かにづめ"様陰影欠損がみられたが注腸による整復が不可能であったため開腹手術を行った.回盲部に接した回腸の腸間膜側に3×3×3cmの球状の嚢腫が発見されたため,嚢腫を含めて回盲部切除を行い回腸上行結腸吻合術を加えた.嚢腫の内面は胎生期の食道上皮,胃底腺,幽門腺からなる粘膜で覆われていた.術後経過は良好であった.回盲部腸管重複症の1例を報告し,消化管重複症について文献的考察を行った.
著者名
藤田 渉, 他
9
2
180-185
DOI
10.11482/KMJ-J9(2)180

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