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Online edition:ISSN 2758-089X

十二指腸平滑筋腫 -3例報告と本邦100例の臨床病理学的検討-

最近の7年間に私達の病院において経験した十二指腸平滑筋腫の3例について報告し,あわせて本邦報告100例について臨床病理的事項を中心に検討を加えた.自験例は,間歇性下血によるショック状態を主訴とし,水平部に管外性に発育した腫瘍を見出した2女性例と,嘔吐,腹部不快感を主訴とし,球部に管内外性発育をした腫瘍を見出した1男性例であった.各々4・3・2年の術後経過観察を行い,女性の1例は良性平滑筋腫の診断であったにもかかわらず, 3年後に肝・骨・リンパ節転移をきたして死亡した.臨床症状は,文献上も70%にみられた出血症状が中心で,自験2女性例はともに下血によるショック状態を示した.腫瘍の発育形式は2女性例が管外型,男性例は管内外型であった.文献上,球部,下行部には管内・管外型が同じく発生するが,下水平部には管外型が多い傾向があった.術前診断は,内視鏡的に診断された例が多かったが,自験例では男性例のみ内視鏡診断が可能であった.また同例では血管造影も行われた.一般に手術は,良性腫瘍としての摘出術または核出術が行われているが,自験1女性例のように遠隔転移をきたす例があるので,術後長期にわたる経過観察が必要と考えた.
著者名
光野 正人, 他
9
2
186-198
DOI
10.11482/KMJ-J9(2)186

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