百日咳の感染病理 2.百日咳菌の子宮内感染:標的細胞の検討 百日咳菌をマウスの子宮内に接種し,その運命および宿主の反応を観察した.菌は,子宮腔内で貧食されたり,子宮内膜の問質に侵入して,この部で貧食されるが,決して卵管内には侵入しなかった.肺や脳内感染の実験でみられた百日咳菌感染の特徴である繊毛上皮親和性や上皮下への非侵入性はみられなかった.百日咳感染の特徴的病態は,単に菌の能動的性格のみによるものではなく,宿主と菌との相互関係の上に成立することを示していると考えられた.