h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

内視鏡的胃ポリペクトミーの経験 -特に癌合併例からみた本法適用の検討-

高周波電流による内視鏡的胃ポリペクトミー29症例における44病変について行い,それらの臨床病理学的検討と共に,特殊な2例について詳細に症例報告を行い,それらを中心として内視鏡的ポリペクトミーの適用について若干の考察を加えた.特殊例は,生検ではATPのみであったがポリペクトミー標本の組織検査でfocal carcinoma in situが見出された1症例と,生検ではhyperplastic polypの所見のみであったが,ポリペクトミー標本の組織検査で断端近くにまで達するfocal invasive cancerが発見されたため2/3胃切除を行い,ポリペクトミー部に残存癌を認めなかった1症例である.それらを基礎にして内視鏡的胃ポリペクトミーは,簡便な治療法としてだけではなく病変のより広範な組織検索を可能にすることから,通常の良性胃ポリープと考えられるものにも,適用する方が好ましいことを強調した.
著者名
塚本 真言, 他
9
3
228-237
DOI
10.11482/KMJ-J9(3)228

b_download