脾囊腫の1治験例 脾囊腫の1例報告と文献的考察を行った.症例は29歳男性,左季肋部痛,左季肋部膨隆を主訴として来院した.腹腔動脈造影,肝脾シンチ CT scanで脾囊腫と診断した.摘出標本は,脾上極より発生した単房性脾囊腫で,重さ3300g,大きさ24×19×13.5cmであった.囊腫内容液は,褐色,混濁しており,多数のコレステリン結晶を含んでいた.総内容量は2900mlであった.組織学的には,内皮細胞をもたない仮性脾囊腫であった.