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Acid α-naphthyl Acetate Esterase : Tリンパ球の標識酵素としての特異性・感度の再検討

リンパ球中に証明されるAcid α-naphthyl acetate esterase (ANAE)のスポット状陽性顆粒の存在はTリンパ球に特異的であるとされているが,E rosette形成細胞内の出現頻度,EAC rosette形成細胞内の出現頻度に関しては一定の統一見解をみない.我々は手技の違い,陽性の確認法の違いによる誤差を考慮に入れ,ANAEのTリンパ球の標識酵素としての特異性,感度の再検討を試みた.人末梢血中のANAE陽性細胞の出現率は53.2±4.3%, E rosette形成細胞出現率52.7±3.3%と近似値を示したが,E rosette形成細胞中ANAE陽性のものは72.9±4.8%であり,またEA, EAC rosette形成細胞群中にもそれぞれ29.7±2.7%, 38.7±2.6% ANAE陽性のものがみられた.この結果はYangらの結果に類似し,確かに多くのE rosette形成細胞でANAEは陽性となるが,EA, EAC rosette形成細胞でもANAE陽性のものがかなり存在し,その特異性,感度は低いものと考えられた.さらに, Tリンパ球を欠くと考えられているヌードマウスBALB/C nu/nuのリンパ球にANAE陽性細胞をみたことも,この結果を支持する所見と思われた.
著者名
福屋 崇, 他
8
1
31-37
DOI
10.11482/KMJ-J8(1)31

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