再発性多発性脳神経麻痺を呈したサルコイドーシスの1臨床例 48歳女性が複視と右眼瞼下垂を主訴に入院した. 9年間に障害された脳神経は右動眼神経,右滑車神経,両側三叉神経,左顔面神経であった.臨床像,臨床経過より本症例は再発性多発性脳神経麻痺の診断を満足した.検査では血沈の亢進と脳波異常を認める以外特に異常はなかった.しかし Kveim テストが陽性であったため本症をサルコイドーシスによる再発性多発性脳神経麻痺と診断した.患者はステロイド治療により複視と脳波異常の改善を示した. 本症例における基礎疾患診断の重要性を強調し,稀なる脳波所見について考察した.