香川県高松地区の異常血色素調査において,1980年10月に電気泳動的に遅く泳動される異常血色素を検出した.発端者は香川県立中央病院を訪れた24歳の妊婦で,血液学的諸検査に異常なく,異常血色素に由来する徴候も全く認められなかった. 一次構造解析の結果,この異常血色素は既報のHb G Szuhu [β80Asn→Lys]と同定された.Hb G Szuhuの酸素運搬機能は正常であった. 本邦では既に3例のHb G Szuhuの報告をみるが,現在のところ本家系は既報告のいずれの家系とも血縁的に無関係で,新しい突然変異によると思われた.
著者名
島崎 俊一, 他
巻
8
号
3
頁
239-245
DOI
10.11482/KMJ-J8(3)239
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