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Online edition:ISSN 2758-089X

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In vitroにおける腫瘍細胞へのGa-67集積に対するtransferrinの役割

腫瘍細胞(HeLa S3,吉田肉腫)における67Gaの集積に対するtransferrin (Tf)の役割を再評価するために,67Gaと125I-Tfの動態を比較検討した.両細胞とも67Gaの摂取は接触時間とともに増加したが125I-Tfの摂取は著明な増加を示さなかった.67Ga,125I-Tfを細胞に取込ませた後,トリプシン処理を行い吉田肉腫細胞中の残存率を測定すると,67Gaの残存率は接触時間とともに増加し24時間では約80%であった.一方,125I-Tfの残存率は接触時間とは無関係に20~30%であった. HeLa S3からの67Gaの排泄は12時間の間に約10%であったが,125I-Tfの排泄は非常に速く, MEMonly中では約75%,100μg/ml Tfを含むMEM中では約95%であった.熱処理によりnonviableになった吉田肉腫細胞では,熱処理を加えない細胞よりfree 67Gaの摂取は大であった.しかし,Tfに仲介された67Gaの摂取は,125I-Tfの摂取が増加したにもかかわらず,著明に減少した.これらの結果から,67Gaの細胞内動態は125I-Tfと異なっていることが示された.すなわち,67Gaは細胞に経時的に摂取されほとんど排泄されないのに対し,125I-Tfの多くは細胞膜と結合しており速く代謝されているものと考えられる.したがって, Tfは67Gaを細胞膜まで輸送するcarrierとして働いており,67Gaが腫瘍細胞内に集積するにはTf以外の因子も考慮しなければならない.
著者名
西下 創一, 他
8
4
316-321
DOI
10.11482/KMJ-J8(4)316

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