h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

t_toukou

全脳虚血に関する実験的研究 ―全脳虚血に及ぼすphenytoinの影響―

抗痙攣撃剤ではあるが虚血脳に対して保護作用を有するとされるフェニトインが,蘇生後脳症に対してどのように作用するかを雑種成犬36頭を用いて検討した.全脳虚血の作成はAortic Occlusion Balloon Catheter法にて8~12分間行ない,脳血流量,皮質脳波,脳酸素消費量,水分・電解質などを虚血前,血流再開8~5分後, 30分後, 60分後,120分後に測定し,これを対照群と比較検討して,以下の結果を得た.1. rCBF;脳虚血後のpost-ischemic hypoperfusionに対し,対照群に比べその減少率を和らげたが,脳血流分布の変化は生じなかった.2. EEG;survival timeの延長がみられ,血流再開後のrecoveryが良好であった.3. CMRO2;血流再開後にみられる低下傾向を改善しなかった.4. Electrolytes, Free amino acids;血流再開直後にみられる血漿K値と総遊離アミノ酸値の増加を抑制した.5. Water content, Na/K;脳組織水分含量に対しては対照群と同様に特に影響を示さなかった.脳組織Na/Kは対照群より低値を示した.以上より,全脳虚血に対するフェニトインの作用としてrCBFの増加,EEGの改善,水・電解質バランスの安定化を示唆する所見が得られ,これらはフェニトインの脳保護作用を示すものと思われた.
著者名
福田 充宏
7
1
57-70
DOI
10.11482/KMJ-J7(1)57

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