肋骨骨折をきたした成人男子の百日咳 33歳男子に発症した百日咳の症例を報告した.約半月に及ぶスタッカート・レプリ-ゼを呈する激しい咳嗽と,肋骨骨折による胸痛を訴えて当科を訪れた.末梢血白血球数は10,500で58%がリンパ球であり,百日咳の流行株に対する抗体価は2,560倍と著明に上昇していた.本論文で私共は,成人においても百日咳が日常臨床の場において存在すること,ならびに,百日咳の診断には特徴的な咳嗽と白血球増多,リンパ球増多が有用であることを強調した.