h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

Mallory-Weiss症候群の臨床的研究-内視鏡所見と臨床経過を中心として-

1975年4月より1980年3月までの5年間に経験したMallory-Weiss症候群18例について,誘因,裂創の数,部位,形,病期および上部消化管の合併病変を中心として検討した.また出血量と上記諸因子との関係も検討を加えた.誘因では嘔吐が原因と考えられた例が最も多くみられたが, アルコール摂取は必要条件ではなかった.裂創の数は1条が多く,部位では胃粘膜内に限局する裂創と食道胃双方の粘膜にまたがる裂創が多く認められた.裂創の形では,線状型と紡錐型が同数に認められた.内視鏡による経過観察では,本症の裂創は,発症後48~72時間で表層性の線状潰瘍として認められた.大量出血は消化管に他の粘膜病変をもたないものに認められた.このことより局所粘膜の脆弱性は出血量と関連はないと考えられた.
著者名
須藤 淳一, 他
6
3
128-136
DOI
10.11482/KMJ-J6(3)128

b_download