h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

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腫瘍に対する経静脈的栄養法の影響に関する実験的研究-オートラジオグラフによる細胞動態の解析-

経静脈的栄養法がラットに移植した佐藤肺癌腫瘍に与える影響を組織学的に,またautoradiographyを使用して検討した.1.腫瘍増大率は低カロリー輸液群で著明な低値を示したが(2.68±0.82, p<0.001),高カロリー輸液群と経口群には差を認めなかった(5.19±1.50, 5.72±1.69).2.高カロリー輸液群の腫瘍細胞は他の2群に比して大きい傾向が認められた.3.分裂指数,標識指数ともに低カロリー輸液群では低値で,この傾向は腫瘍中心部で強かった.4.標識指数は高カロリー輸液群で経口群に比して高値を示し,腫瘍中心部でも標識性が維持された.また,標識された分裂数は経口群に比して低値であった.5.以上の検討の結果,経静脈的栄養法では増殖相に動員される腫瘍細胞の増加ないしは維持が推定された.このことは抗腫瘍化学療法上,有利な点と考えられた.
著者名
木元 正利
6
3
164-173
DOI
10.11482/KMJ-J6(3)164

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