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Online edition:ISSN 2758-089X

プレートサーモグラフィーによる乳癌の診断,および正常乳房熱画像の研究

乳腺疾患234例と正常女性408例について,プレートサーモグラフィーの熱画像を検討し,以下の結果をえた.1.乳房に腫瘤を触知する216例について,腫瘤の熱画像を4型に分類しえた.癌では,腫瘤に一致する青色高温の熱画像と集中する不規則な血管像(T-IIb.c型)や,腫瘤を取り巻く青色高温の血管像(T-III型)が高頻度に認められた.2.冷風冷却法(dynamic method)は,乳癌の鑑別に特に有用な方法であった.3.乳癌39例と良性疾患154例におけるプレートサーモグラフィーの診断率は true positive rate 82.1%, true negative rate 79.2%であった.4.プレートサーモグラフィーを,触診,マンモグラフィー,超音波断層法と同時に併用することは,乳癌の診断に有効であった.5.プレートサーモグラフィーにより,正常女性の乳房熱画像を4型に分類したが,それらには年齢との相関が認められた.
著者名
高橋 達雄
6
4
192-208
DOI
10.11482/KMJ-J6(4)192

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