h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

小児中枢神経疾患の頭部CTに関する研究 第2編 脳性麻痺患者の頭部CT所見

脳性麻痺患者110名に対し頭部CTと脳波検査を施行し,以下の結果を得た.1)病型別にみたCT異常率は痙直型四肢麻痩69 %, 痙直型片麻痺75%, アテトーゼ型23%,混合型50%であった.2)痙直型四肢麻痺では広汎性脳萎縮,痙直型片麻痺では麻痺側と反対側の半球性脳萎縮が大部分を占め, アテトーゼ型では異常を示すものは少なく,異常があっても軽度の広汎性脳萎縮であった.3)知能の低いもの程CT異常率も異常の程度も強かった.4)てんかんを伴うものでは伴わないものよりCT異常率が高かった.5)基礎波の異常とCT異常はよく対応し,基礎波とCTの異常側は大部分の例で一致した.6)発作波出現側とCT異常側とは1/3~1/2で一致したが,発作波出現部位とCT異常部位とは11 %で一致したにすぎなかった.
著者名
熊埜御堂 義昭
6
4
226-234
DOI
10.11482/KMJ-J6(4)226

b_download