Kartagener症候群を考えさせた肺癌の1例 57歳男子の難治性閉塞性肺炎を伴った肺の扁平上皮癌の症例を報告した. 患者はheavy smokerであり,反復性肺炎のために入院してきた.右胸心,副鼻腔炎があったので,反復性肺炎はKartagener症候群の拡張気管支に発症しているものと思われた.各種抗菌剤を用いるも肺炎が治癒しなかったので基礎疾患を精査したところ,左中幹気管支の管腔内に腫瘤が発見された.腫瘤は所属リンパ節転移を伴うのみの偏平上皮癌であったので,左肺摘出術が施行された,本症例における基礎疾患診断の困難さ,並びに,気道障害時の易感染性 難治性について考察した.