h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

インドメタシンの腫瘍細胞に対する放射線増感作用の基礎的検討

 非ステロイド系抗炎症剤であるインドメタシンは,抗腫瘍作用を持つこと,放射線増感作用を持つことが知られている.今回,インドメタシンの放射線増感作用について,グリーンズメラノーマを移植したハムスターを対象として基礎的検討を行った. インドメタシンの正常組織に対する放射線増感作用は,ハムスターの皮膚反応から評価した.その結果,Skin reaction score で評価したインドメタシン投与群と対照群の皮膚反応は,インドメタシン投与群の方が高値を示す傾向が認められたが,両群間に統計学的な有意差は示されなかった.腫瘍に対するインドメタシンの放射線増感作用は,照射直後の腫瘍体積を基準として算出された腫瘍体積比で評価した.その結果,薬剤投与群と腫瘍体積比との対照群のそれとの間には,照射後11日以降では統計学的な有意差が認められた(11日目以降:p<0.05,25日目以降:p<0.01). これらの結果により,インドメタシンの放射線増感作用は,腫瘍細胞に対して明らかに認められるが,正常細胞に対しては影響しないことが示された.(平成22年1月6日受理)
著者名
紺野 勝信,他
36
1
47-52
DOI
10.11482/2010/36.047.2010.Igakukaishi_Konno_etal.pdf

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