h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

t_toukou

PTH間歇投与による骨geometryおよび骨微細構造の変化:運動負荷との比較検討

 副甲状腺ホルモン(PTH)の間歇投与が,海綿骨量を増加させることは多数報告されている.しかし,PTH 間欠投与の骨微細構造に対する影響を運動などの生理的刺激による変化と比較した報告はほとんどみられない.今回我々は,非荷重に伴う大腿骨海綿骨微細構造劣化後の回復に対するPTH 投与および運動負荷の効果について,マイクロCT を用いて比較検討した. 生後8週齢のWistar 系雄性ラット32匹を対照群(CON),懸垂安静回復群(S+C),懸垂PTH投与群(S+P),および懸垂ジャンプ運動群(S+J)の4群に分けた.S+P 群には,2週間の尾部懸垂後,ヒトPTH(1-34)を1日75μg/kg,週5回,5週間にわたり間歇投与した.S+J 群には,高さ40cm,1日10回,週5日の頻度で5週間ジャンプ運動を行わせた.実験終了後,両大腿骨を摘出し,右大腿骨遠位骨幹端海綿骨領域を,マイクロCT により撮像した.得られた断層データから,三次元画像解析装置を用いて骨梁構造指標を求めた.さらに,骨幹部の幾何学的特性を評価するため,マイクロCT を用いて左大腿骨中央部を撮像し,次いで,3点支持の破断試験を行って骨強度を測定した. S+P 群とS+J 群はいずれも,S+C 群に比べ,大腿骨骨幹端海綿骨の骨量,骨表面積,骨量体積率,フラクタル次元,連結性密度,骨梁幅,骨梁数および構造異方性が有意な高値を,骨梁間隙,骨梁パターン因子(TBPf)および構造モデル指標(SMI)が有意な低値を示した.一方,骨幹部の皮質骨面積,厚さおよび骨強度は,S+J 群がS+C 群に比べ有意な高値を示したのに対し,S+P 群は皮質骨厚を除いてS+C 群と有意な差を認めなかった.以上の結果より,PTH の間歇的投与は,海綿骨の微細構造に対してはジャンプ運動に類似した変化をもたらすが,皮質骨の幾何学的特性と骨強度にはPTH の効果が少ないことが示唆された.(平成21年10月8日受理)
著者名
森 啓弥
36
1
23-33
DOI
10.11482/2010/36.023.2010.Igakukaishi_Mori.pdf

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