h_kaishi

t_toukou

家族内濃厚感染を来したマイコプラズマ肺炎;その示唆するもの

親子4人全員がマイコプラズマ肺炎に罹患した,マイコプラズマ肺炎の家族内感染例を報告した.index case は父親であり,12日後に母親が, 19, 20日後に子供達が発症した.70歳以上の同居の老夫婦では発症しなかった.全例が発熱で発症し,マイコプラズマ肺炎に特徴的と言われるdry hackig coughは数日遅れて現われていた.胸部X線像はいずれもPAPとして特徴的な陰影を呈しており,マイコプラズマは父親と母親から分離され,血清学的には全例陽性を示していた.ミノサイクリンによる治療は全例に有効であったが,発症直後に治療を開始した子供達で最も有効であり,治療開始が遅れた母親,父親,特にもっとも遅れた父親で咳嗽,喀痰などの自覚症や胸部異常陰影の改善が悪かった.以上より早期診断,治療の開始が必要と考えられるが,特徴的な咳嗽,マイコプラズマの分離,寒冷凝集反応,マイコプラズマCF値による診断は遅れる.胸部X線像の読影は典型的な場合は有効であろうが,非典型例も存在する.したがって,マイコプラズマ感染症の流行を適切に医師に知らせ,早期治療が開始できる態勢ができることが望まれる.
著者名
松島 敏春, 他
4
1
35-42
DOI
10.11482/KMJ-J4(1)35

b_download