Online edition:ISSN 2758-089X
Aorto-coronary バイパス術の心機能に及ぼす影響
A-Cバイパス術をおこなった虚血性心疾患20例について術前,術後の左心機能検査をおこない手術の左心機能に及ぼす影響を検討した.非心筋梗塞群のEFは0,69±0.04から術後0.77±0.02と増加し,とくに術前,左室壁のasynergyを有し,EFが低値を示した例での改善は著しく,非梗塞例にみられる左室壁asynergyは可逆性であることを示した.心筋梗塞群のEFは術前0.61土0.05,術後0.61±0.06と手術の効果は認められなかった.左室瘤切除併用群のEFは術前0.41±0.05から術後0.52±0.08と改善がみられ,左室瘤切除術は心機能の改善に有効であることを示した.LVEDPは各群ともに低下し,A-Cバイパス術の効果を認めた.EF,LVEDPともに異常を示した例は術前6例から術後1例に減少,EF,LVEDPともに正常域にあった例は術前4例から術後9例に増加し.殆どの症例においてA-Cバイパス術はEFとLVEDPの両者か,あるいはどちらかに有効であることが認められた.
- 著者名
- 藤原巍, 他
- 巻
- 4
- 号
- 2
- 頁
- 102-108
- DOI
- 10.11482/KMJ-J4(2)102