薬剤による劇症肝炎に対し交換輸血を行ない救命しえた.患者は29歳男性で感冒症状に対し抗生物質(ヘテロマイシン)およびサルファ剤(アプシード)の投与をうけ,2週後に全身の紅斑,発熱,皮膚癢痒感,黄疸が出現した.好酸球増多も認め患者は肝性昏睡に陥った.2回の新鮮血による交換輸血(4,800 ml と 4,000 ml)により意識は完全に清明となった.肝生検では慢性活動性肝炎の像を示し,肝電顕像ではリポフスチン顆粒および小胞体の増加が観察された.
著者名
山本 晋一郎, 他
巻
4
号
2
頁
117-122
DOI
10.11482/KMJ-J4(2)117
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